シカゴに働きに出た田舎娘キャリーは、すぐさま悪い男にだまされ、その男と同棲を始める。彼女の勤める高級レストランの支配人ハーストウッドは素朴な彼女に惹かれていくが、その裏には、全財産を自分名義にしている妻との冷え切った仲があった。キャリーとの結婚を考え、妻に離婚話を持ちかけるハーストウッドはまるで相手にされず、遂に店の金を盗んでキャリーと二人、NYへ駆け落ちした。幸福な暮らしを営んだのも束の間、私立探偵の追及に、残った金をすべて返し警察沙汰は免れたものの、彼には一生拭いきれぬ汚名が残り、まともな勤めも許されなかった。
やがてキャリーは女優となり、彼の留守中姿を消した。時は流れ、キャリーはもはや大スターである。ある夜の公演の後、彼女は、楽屋口に施しを乞う浮浪者をまじまじと見た。それは紛れもなく自分の棄てた男ハーストウッドだった。彼女はその姿にショックを受け、再び彼と共に暮らし、二度と離れぬ--と誓ったが、彼女が事務所に金を借りに行っている間に、彼はテーブルの上の小銭を取ってとぼとぼと立ち去ってしまう……。
勝手な男達に振り回され結局真実の愛を見出せなかった女と、家庭の冷たさに健気な女性に救いを求める男。いつの間にか社会的に逆転する両者に、切ない大人の恋が描かれている。
『アメリカの悲劇』(「陽のあたる場所」の原作)を書いたドライサーの小説『シスター・キャリー』を映画化したもので、ワイラーは、社会派メロドラマ作家のこの原作の恋愛部分に焦点を絞って、重厚な悲劇を作っている。
1951年・アメリカ映画/モノクロ/2時間2分
提供:エムスリイエンタテインメント株式会社 配給:株式会社ティアンドケイテレフィルム |