エレガントとデカダンスの光と影が妖しく響き合う世紀末的ロココの世界が、後期ロマン派最後の巨星リヒャルト・シュトラウスの豪放かつ細密な大管弦楽の魔法によって、見事花開く!
18世紀末のウィーン、陸軍元帥ヴェルデンベルク邸では遠征中の夫をよそに、元帥夫人マリー・テレーズと、一回りも若く恋に盲目な貴公子オクタヴィアンが逢瀬を重ねている。今もって典雅な貴夫人ではあるが、マリー・テレーズはふと手にした手鏡の中の老いゆく自分を見て、静かにこう悟る「いつか必ず彼の元を去る時がやって来る」と。甘美な恋の頂点にあるふたりの間に突然去来する悲しみと諦念、そして不安と動揺……。
R.シュトラウスは『ツァラトストラはかく語りき』に代表されるスケールの大きい曲想で知られている。本作は、1960年ザルツブルク祝祭劇場のこけら落としとなった音楽祭で上演された楽劇「ばらの騎士」全3幕の音声に、後から音に合わせて演技を収録した音楽映画。演奏はシュヴァルツコップとカラヤンによる歴史的世紀の名演であり、元帥夫人役のシュヴァルツコップが洗練された中に官能を加味した完璧な歌唱を披露。オクラヴィアン役のユリナッチ、ゾフィー役のローテンベルガー、男爵役のエーデルマンと適材適所の配役で、極めて完成度の高い舞台を作り上げている。
1960年、ザルツブルク音楽祭にて音声収録。
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