2002年8月―福岡県北九州市で世界車椅子バスケットボール選手権大会「ゴールドカップ」(パラリンピックと並ぶ車椅子バスケ世界二大大会)がアジアで初めて行われた(8月23日~9月1日)。開催期間中は約8万人の観客が訪れ、競技用車椅子を緩急自在に操り、所せましと繰り広げられる世界最高峰のプレーの数々に歓声をあげた。一般のバスケットボールにはない激しい接触プレーが連続し、選手の転倒も当たり前の世界…。そのパワーと迫力は、観客に障害のあるなしを越えた爽やかな感動をもたらしてくれる。健常者・障害者に関わらず、車椅子バスケは今、確実に競技スポーツとしての魅力を一般に広めつつある。
「ウィニング・パス」は日本車椅子バスケットボール連盟の協力のもと、ある日突然一つの「自由」を失いながらも、生きる希望を取り戻していく高校生・健太の再起の姿を、車椅子バスケに賭ける高校生の青春群像として爽やかな感動とともに描きだしていく。当初は、全て東京での撮影を予定していたが、「ゴールドカップ」の先行ロケをきっかけに様々な人々との出会いに恵まれ、舞台を北九州に移すこととなった。
撮影はほぼ全編が北九州市内で行われ、「市民応援団」の結成や北九州フィルム・コミッションを軸とする行政の協力のもとで製作された。撮影中には延べ1,000名にも及ぶ市民エキストラや、現場を手伝うボランティア・スタッフが加わり、行政、市民と共に作り上げられた作品である。また、映画のラストで大きな盛り上がりを見せる車椅子バスケの試合シーンの撮影には、九州全域から実際の車椅子バスケの選手たちが参加し、迫力のプレーを披露している。
監督は山本薩夫、深作欣二、市川崑、熊井啓といった日本を代表する監督たちのもとで修業を重ねた後、「ドン松五郎の生活」「チンパオ」等、多彩な作品を手がけてきたベテラン、中田新一。プロデューサーは、福祉や環境の分野で映画作りを続けてきた中橋新紀人。また、音楽監督には数々のテレビドラマ、映画音楽を担当する、千住明。
主人公・健太には、本作が映画初主演となる期待の若手俳優・松山ケンイチ。突然、車椅子の生活になってしまう高校生・健太という難しい役柄に加えて、3ヶ月に渡る車椅子バスケのトレーニングを経て、撮影に挑んだ。町工場を守り続ける父親に、テレビドラマやCMでもお馴染みの矢崎滋、母親には、ホームドラマの常連の角替和枝、妹に「V6」の「COSMIC RESCUE」でヒロインに選ばれた新人・堀北真希。健太の恋人には、「日テレジェニック」で大きな注目を集めた佐藤めぐみ。そして、加藤剛をはじめ、三浦誠己、加藤大治郎(加藤剛子息)、ベンガル、寺島進、石井めぐみ、柄本明といった演技派・個性派の俳優たちが脇を固め、ドラマを感動的に盛り上げていく。
北九州市制40周年記念映画
第16回東京国際映画祭ニッポン・シネマ・フォーラム部門 公式出品作品
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