ドキュメンタリー映画『ホライズン』

作品紹介

視力を失いながらも踊り続け、バレエ界で最高位の“プリマ・バレリーナ・アッソルータ”の称号を得た伝説のバレリーナ、アリシア・アロンソ。
90歳を過ぎた今も、世界的なダンサーを次々と輩出するキューバ国立バレエ団の芸術監督として情熱的に指導を続ける彼女と、その背中を追いかけるダンサーたち。
困難を乗り越えて挑戦を続け、キューバを象徴する存在となった一人の女性の驚くべき人生を、貴重な記録映像を交えて紹介し、オールド・ハバナのノスタルジックな街並みを背景に、彼女が地平を押し広げ、類い稀な発展を遂げたキューバのバレエの“今”を捉えた、詩情あふれるドキュメンタリー。

オールド・ハバナ、国立劇場に程近いキューバ国立バレエ団の飾り気のないリハーサル室で、プリマ・バレリーナのヴィエングセイは自らを律する厳しく妥協のない反復練習に没頭する。
バレエ学校の生徒で、国立バレエ団への入団を夢見る14歳のアマンダもまた同じだ。彼女たちがそのステップの一つ一つで追い求める理想は―アリシア・アロンソ。彼らの偉大な先輩だ。

アマンダの家族は娘の夢を叶えるために地元の家と職を手放し、ハバナ旧市街の質素なアパートに住んでいる。両親が自分のために払った犠牲を知るアマンダの双肩には、バレエ学校の進級試験を前に大きなプレッシャーがかかっている。もしも落ちてしまったら…

キューバ国立バレエのプリマとして、世界中のバレエファンに名前を知られているヴィエングセイ・バルデスは30代半ば。ステージの中央で20年以上踊っている彼女を支えるのは厳しい練習だ。
衣装係やトレーナー、トゥシューズのフィッターなど、舞台を陰で支えるスタッフとの心温まるシーンを交えながら、偉大なアリシア・アロンソの足跡を引き継ぐ役割に、葛藤する彼女の姿をカメラは捉える。

国立バレエのリハーサル室では、厳しい練習の中にアリシア・アロンソの人となりが垣間見える。壊れそうな老婦人という見かけの姿は、音楽が始まり、若々しい情熱が立ち現われるやあっという間に消えてしまう。彼女の成し遂げてきた全てが若きダンサーたちの動きに宿り、彼らの努力を後押しし、限界を押し広げているのだ。


映画『ホライズン』日本版公式サイト
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